「わたしがわたしを誰よりも大切にする」〜性教育の意味するところ

「わたしがわたしを誰よりも大切にする」〜性教育の意味するところ

2/12(日)ボードゲームで話そう❣性教育座談会

「性について親子で話す」ということにハードルや、恥ずかしさを感じてしまうおかあさん・おとうさん。
わたしもその一人です。

いきなりストレートな質問をされてドギマギしたり、正しい知識を自分も持っていないことに気がついて答えを濁したり・・

そんなわたしたちがボードゲーム(一般社団法人sowledgeの「ブレイクすごろく」)を使い、小1から中1までの男女・親子6組で楽しく、性のトピックに触れながら体験したことをシェアしたいと思います。

このすごろく、スタートの『誕生』からゴールの『成人』まで、マス目にいろいろな質問が書かれています。
たとえば、「幼稚園で好きな子にキスをして泣かれてしまった」「子どもの検索履歴にセックスという言葉が出てきた」など。

そのマスに止まったプレイヤーは、質問に対し自分で考えて答え、さらにセットでついてくる「ブックレット」の解答例を読みます。そこには正しい知識や、適切な返答の例が出ていて、「なるほど、こういう答え方するのもありか〜」と気付かせてくれます。

子どもと性の話をすると、どうしても親が自分の知っていることを「教える」形になりがちですが、同じプレイヤーとしてゲームに参加していると、対等に「学ぶ」やり方で知識を共有できます。

個人的には、「解答例を読む」というスタイルがとてもやりやすかったです。正しい知識だったとしても、なんか「言いづらい」「恥ずかしい」という気持ちがあるので、「これはわたしが言っているんじゃない。こう書かれているだけよ」と第三者的な感じで喋ることができるのは、精神的にラクでした。

今回ゲストとして、性教育学生団体Paletteの代表・宮坂舞花さんにファシリテーションをお願いしたのですが、彼女が「日本の性教育を変えたい!」という情熱のもと、たくさんの知識・資料を提供してくれたことが、本当に助けになりました。

思春期を前に、親たちは何を伝えられるのだろう?

そして後半は、集まったおかあさんおとうさんと、ざっくばらんに話し合いタイム。
テーマごとに、まずはポストイットに思いを書き込んで貼ります。

自分の知識がアップデートされていないこと、お父さんにどう関わってもらうか、性犯罪のニュースをこどもにどう伝えるか、などなど・・・
貼ったメモを見ると、みなそれぞれ色々なモヤモヤがあるんだなー、と話は尽きませんでした。

昭和の世代の親たちと、今の子どもたち、世の中はずいぶん変わったけど、「性教育」に関してはあんまり進歩していないんじゃない?という事実にも気が付きました。

年に数回程度、「いのちの授業」や保健体育で教わっただけの知識で、生涯にわたって子どもたちのカラダと心を守ることができるのか。
友だちやネットからの不確かな情報に振り回されて、傷ついたり遠回りしたり、何を信じたらいいかわからなくなる思春期を前に、親たちは何を伝えられるのだろう?

残念なことに、この分野の教育はすっぽりと抜け落ちているのが日本の現状です。国際的には、5歳から18歳まで各年代ごとに身につけたい性の知識(包括的性教育と呼ばれています)がガイダンスとしてマニュアル化され、漏れのないようにカリキュラムを提供できるようになっているのですが・・

✧こちらのリンクでガイダンスの日本語訳を見れます
https://sexology.life/

自分のカラダ・心のことは自分で決める。

今回心に刻まれたのは、「自分が自分を誰よりも大切にすること」を小さいうちから繰り返し伝えることの重要性です。

大人になってから、自尊感情が低くて常に誰かから承認されないと生きていけない、となってしまうのは、この性教育の欠如も関係あるんじゃないかな、と思います。

誰かに「好きだ」と言ってもらわないと自分を認められない。
人と比べて「かわいい」「かっこいい」で自分の価値を測る。

自分の思春期を振り返ってみると、あるあるだなーと。

誰がなんと言おうと、自分のカラダ・心のことは自分で決める。
そう決めて良いんだ、というメッセージを親が、大人が、社会全体が発信していかなきゃ、と強く感じた座談会でした。

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